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【2026年7月から】障害者の法定雇用率が2.7%に!定着につなげる雇用のポイントと企業事例

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2026年7月から、民間企業の障害者法定雇用率が引き上げられました。対象となる企業には、毎年6月1日時点の障害者雇用の状況をハローワークへ報告する義務があります。

また、障害者の雇用促進と継続を図るため、「障害者雇用推進者」を選任することが努力義務となっています。

しかし、法定雇用率の達成だけにとらわれていると、採用後にミスマッチが生じ、職場への定着につながらない可能性があります。

今回のメルマガでは、法定雇用率を達成できなかった場合に必要となる納付金や企業の取り組み事例、障害者雇用を進める際のポイントについて解説します。

◆法定雇用率と除外率とは

2026年7月1日から、民間企業の障害者法定雇用率は2.5%から2.7%へ引き上げられました。これに伴い、障害者を雇用する義務の対象となる事業主の範囲も、常時雇用する労働者数40人以上から37.5人以上へ拡大されています。

まずは、法定雇用率と除外率についておさらいしましょう。

・法定雇用率:企業が達成すべき障害者の雇用率
例えば、常時雇用する労働者が115人の企業には、障害者を3人以上雇用する義務があります。
115人×2.7%=3.105
※小数点以下は切り捨て

なお、短時間労働者や重度の身体障害者・知的障害者などは、雇用率を算定する際の数え方が異なる場合があります。

・除外率:障害者の就労が一般的に困難と認められる業種について、雇用義務人数から労働者数を免除する割合除外率制度は、ノーマライゼーションの観点から2004年に廃止されました。ただし、経過措置として現在も一部の業種に適用されており、段階的に除外率が引き下げられています。

◆法定雇用率を達成できなかった場合

法定雇用率を達成できなかった場合、常時雇用する労働者数が100人を超える事業主は、障害者雇用納付金を納付しなければなりません。納付金の額は、法定障害者数に対して不足する人数1人につき、月額5万円です。

例えば、障害者を5人雇用する必要がある企業で、実際に雇用している人数が3人の場合、不足する2人分として月額10万円を納付する必要があります。

なお、障害者雇用納付金は、法定雇用率を達成できなかったことに対する罰金ではありません。障害者の雇用に伴う事業主間の経済的負担を調整することを目的とした制度です。

徴収された障害者雇用納付金は、法定雇用率を超えて障害者を雇用している事業主への障害者雇用調整金や報奨金、各種助成金などに活用されます。

常時雇用する労働者数が100人を超える事業主が調整金を受け取るためには、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)への申請が必要です。

◆中小企業における障害者雇用の事例

障害者雇用について、「雇用しなければならないのはわかっているけど、具体的なイメージが湧かない」「手続きが大変そう」などの印象を持つ方も多いのではないでしょうか。

ここからは、実際に企業が行なっている取り組みをご紹介します。

◇協栄金属工業株式会社(所在地:島根県雲南市)

協栄金属工業株式会社は、農業機械や医療・介護福祉機器、建設機械など、5,000種類を超える金属部品を製造するメーカーです。事例の掲載時点では、従業員79人のうち7人が障害のある社員で、雇用割合は8%を超えています。

本人の能力や適性に応じた配置を心がけ、就業時間の短縮や出勤日数の調整ができるよう、入社時にはパートや準社員として採用しています。その後、業務に慣れて通常勤務が可能になった段階で、希望する人を正社員に登用しています。

支援センターや特別支援養学校から実習生を受け入れ、入社を希望する人を対象に選考を実施しています。支援センターとも定期的に情報交換を行い、業務内容を熟知した支援センターから社風に合った人を紹介してもらうことで、ミスマッチを防ぎ、多くの障害者雇用につなげています。

また、障害のある社員が仕事に慣れるまでは、「1秒たりとも1人ぼっちにするな!」を合言葉に、上司や同僚が障害の状況を踏まえてサポートしています。そのほか、口頭で指示するだけでなく図を使ってわかりやすく伝えるなどの工夫もしています。

◇株式会社武田工務店(所在地:新潟県新潟市)

株式会社武田工務店は、型枠工事や建築工事の設計・施工を行う企業です。事例の掲載時点では、従業員183人のうち5人が障害のある社員で、本社に3人、上越本店に2人が在籍しています。

本社に在籍する2人は、入社後に障害を負った社員です。それまでの経験を生かし、各担当部署の管理責任者として業務にあたっています。

建設現場での作業は安全性などの観点から配置が難しいため、社内の作業場や倉庫で行う作業を割り当てています。また、障害特性に応じた作業マニュアルを作成し、「良い例」「悪い例」を写真で掲載することで、正しい作業方法や注意点を目で見て理解できるよう工夫しています。

障害の特性や体力などによって、長時間続けて作業すると能率が低下することがあったため、休憩時間も細かく設定しています。体調が悪いときには遠慮せず休憩できるよう、職場の雰囲気づくりにも努めています。

◇株式会社愛亀(所在地:愛媛県松山市)

株式会社愛亀は、道路舗装工事を中心に行う建設会社です。グループ会社は12社で、コンクリート製造会社や農業生産法人などがあります。

舗装工事が比較的少ない春から秋は稲作の農繁期にあたるため、建設部門の社員が農業生産法人へ出向し、農作業に従事します。事例の掲載時点では、障害のある社員6人も出向し、野菜や米の生産に携わっています。

毎朝ミーティングを行い、1週間単位で計画された作業予定の中から、天候などを考慮して当日の作業内容を決定します。勤務時間は、雇用当初は9時から15時までとし、それぞれの体力などに応じて最長7時間としています。

農作業で使う鎌や鎌やはさみなどの道具については、持ち方から扱い方まで事前に講習を実施しています。道具には番号を付け、貸し出したものが返却されているか確認するなど、管理を徹底しています。

また、ケガをしても自分から報告することが難しい社員に対して、周囲の社員が普段と変わった様子がないか、常に気にかけるようにしています。

農業事業は「建設/農業の兼業農業法人」と位置付けられ、グループ企業を業種の枠を超えて結び付ける役割を担っています。障害のある社員の職場定着が順調なことから、これまでの「農商工連携」に福祉を加えた「農商工福連携」を目標とし、障害者雇用を拡大していく予定です。

◇日本パーソネルセンター株式会社(所在地:兵庫県神戸市)

日本パーソネルセンター株式会社は、コーヒー業界大手のUCCグループにおける人事・経理部門からスタートした企業です。グループ会社の規模拡大に伴って障害者雇用を検討し、2005年に特例子会社として認定を受けました。

事例の掲載時点では、従業員243人のうち69人が障害のある社員で、それぞれの希望や適性に合わせ、事務処理作業や名刺の作成・印刷、出荷など、幅広い業務を担当しています。

採用にあたっては、職場実習とトライアル雇用を実施しています。実習の最終日には本人だけでなく、保護者や支援機関の職員にも同席してもらい、必要な配慮や実習で感じたことなどを聞き取ります。トライアル雇用でも同様に振り返りを行い、継続雇用につなげています。

また、社員が主体的に相談・連絡・報告を行い、自身の健康状態を意識しながら安定して働けるよう、日報を活用しています。日報には、面談の希望や体調、ストレス、勤務時間、就寝時間、服薬状況など、仕事面だけでなく生活に関する内容も記載します。

精神保健福祉士やジョブコーチなどのサポーターが日報を確認し、何らかの課題によって業務に影響が出ている場合には、必要に応じて相談や助言を行います。

障害のある社員の平均勤続年数は9年以上です。障害特性や必要な配慮の確認、社内外の連携による支援など、丁寧な取り組みが職場への定着につながっていることがうかがえます。

◆障害者を雇用する際のポイント

障害の種類や程度、必要な配慮は一人ひとり異なります。特に精神障害や発達障害のある人は、体調の波や対人コミュニケーションの特性に個人差があります。

障害者雇用を進める際には、次の3つがポイントとなります。

・できること・難しいことを明確にする
障害特性によっては、対応が難しい業務もあります。本人と話し合いながら、事前に「できること」と「難しいこと」を把握し、特性や適性を踏まえて業務を割り振ることで、生産性の向上や本人のやりがいにつながります。

・社内で相談しやすい体制を整える
障害のある従業員に対するフォローはもちろん、周囲の従業員へのフォローも欠かせません。一部の従業員だけに負担が偏らないよう、職場全体で協力できる体制を整えることが大切です。

・専門機関から適切なアドバイスを受ける
特に初めて障害者を雇用する場合、何から始めればよいかわからず、戸惑うことも多いでしょう。専門機関からアドバイスを受けることで、社内調整や職場環境の整備をスムーズに進められます。

◆障害者雇用に関する支援機関

障害者雇用に関する支援機関は複数あります。目的に応じて活用することで、採用や職場定着を円滑に進められるでしょう。

・ハローワーク
障害者の募集や紹介のほか、職域開拓、雇用管理、職場環境の整備などについて相談できます。また、各種助成金の案内も行なっています。

・地域障害者職業センター
障害者職業カウンセラーが、職業リハビリテーション専門機関の立場から、雇用管理に関する助言や職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援を行なっています。

・障害者就業・生活支援センター
障害のある人の自立と安定した職業生活を支えるため、雇用、保健、福祉、教育などの関係機関と連携し、就業面や生活面の一体的な支援を行っています。

・障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口
障害者のテレワーク雇用に特化した相談窓口です。障害者職業生活相談員などの有資格者が企業の状態をヒアリングをし、最大5回オーダーメイドサポートを行います。

一定規模以上の企業には障害者を雇用する義務がありますが、それを単なる負担と捉えてしまうと、社内の理解を得にくくなります。また、雇用人数を満たすことだけを目的に採用すると、ミスマッチが生じ、早期離職につながりかねません。
障害の有無に関わらず、一人ひとりが自分の価値を感じながら働ける企業は、誰にとっても働きやすい企業になるはずです。

これを機会に、自社の雇用環境や職場のあり方を見直してみてはいかがでしょうか。

在宅勤務の制度設計や業務管理の方法、従業員のモチベーション向上などについてお困りのことがありましたら、お気軽にご連絡ください。

[参考]
<法定雇用率と除外率とは>
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「7.資料編 (1)障害者雇用率制度」
https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/q2k4vk000003mbma.html
厚生労働省「除外率制度について」
https://www.mhlw.go.jp/content/001133551.pdf

<未達成の場合のペナルティ>
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用納付金制度の概要」
https://www.jeed.go.jp/disability/about_levy_grant_system.html

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用納付金制度をご存じですか?」
https://www.jeed.go.jp/disability/q2k4vk000002t1yo-att/f41obh00000024ez.pdf

<中小企業における障害者雇用の実例集>
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者雇用事例リファレンスサービス
「障害者雇用により、みんなが居心地のいい職場づくりへ~過疎地の工場に優秀な社員が集まる理由~」
https://www.ref.jeed.go.jp/2020/2020021.html

「建設業における職務創出と作業マニュアルの工夫」
https://www.ref.jeed.go.jp/2025527.html
「農商工「福」連携プレーで、共に楽しく働ける職場に」
https://www.ref.jeed.go.jp/2020/2020005.html

「社内のサポーターが企業在籍型ジョブコーチ、障害者職業生活相談員、精神保健福祉士、産業医と連携し、企業内チーム支援で支える」
https://www.ref.jeed.go.jp/2025512.html

<障害者を雇用する際のポイント>
日本最大級の人事ポータル HRpro「2026年7月、「障害者法定雇用率」が2.7%へ。“数合わせ”ではなく定着を促す実務の重要ポイント」
https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=4694

フリーウェイタイムレコーダー「障がい者雇用とは?企業が知るべき基礎知識やメリット、実施時のポイントなどをわかりやすく解説!」
https://freeway-timerecorder.com/blog/view/186

<障害者雇用に関する支援機関>
ハローワークインターネットサービス「障害者の方の雇用に向けて」
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/enterprise/sy_employment.html

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「雇用支援・相談窓口」
https://www.jeed.go.jp/disability/employer/employer01.html

厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18012.html

厚生労働省「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け)」
https://twp.mhlw.go.jp/

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