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中小企業こそターゲットに!サイバー攻撃の被害例と対策

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帝国データバンクの調査によると、過去にサイバー攻撃を受けたことがある企業は全体の32.0%でした。
企業規模別では大企業が41.9%と最も高い一方で、対策が手薄になりがちな中小企業でも被害が増えています。
サイバー攻撃を受けると事業に支障をきたすだけでなく、甚大な損害を被るおそれがあります。

今回のメルマガでは、サイバー攻撃の主な種類や被害例、対策についてご紹介します。
今すぐできることから取り組んでいきましょう。

◆サイバー攻撃とは

サイバー攻撃とは、インターネットなどを通じて企業のシステムへ不正に侵入し、データの窃取や改ざん、システムの停止などを引き起こす行為です。

警察庁サイバー警察局が公表した「令和7年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、攻撃者が悪用可能なシステムの脆弱性を自動ツールなどで探索する行為は、令和7年上半期には1日あたり約9,000件に上り、企業は常にサイバー攻撃の危険に晒されていることが分かります。

また、近年ではAIを悪用したサイバー攻撃も増えています。
海外では、AIで作成した「偽の音声」や「偽のビデオ通話映像」を用いて、本社幹部やCEOになりすまし、社員へ送金を指示して多額の金銭をだまし取る事件も発生しています。

さらに、ソフトバンクグループ株式会社の創業者でもある孫正義氏も、AIを悪用した企業へのサイバー攻撃について「黒船の襲来以来の大変な危機になる」と警鐘を鳴らしており、今後の動向にも注意が必要です。

◆サイバー攻撃の種類・被害例

サイバー攻撃にはさまざまな種類があります。
ここからは、最低限押さえておきたい代表的な攻撃と被害事例をご紹介します。

◇ランサムウェア

ランサムウェアとは、企業のデータを暗号化して使用不能にし、データを復旧することと引き換えに金銭を要求する攻撃です。
近年では、「金銭を支払わなければ盗み出したデータを公開する」と脅迫す「二重恐喝」の被害も増えています。
令和7年上半期におけるランサムウェア攻撃による被害件数は116件で、そのうち中小企業が77件を占めています。

2025年1月には、東京都内の乳製品メーカーがランサムウェア攻撃を受け、法人顧客や社員の個人情報などが暗号化され、製造や物流関係のシステムが停止に追い込まれる状況になりました。
顧客への説明は電話で行い、一部の注文は電話やFAXで対応しましたが、攻撃を受けたサーバーは復旧できず、全面復旧まで約4か月を要しました。事後対策も含めた費用は数千万円に上ったとされています。

◇マルウェア

マルウェアとは、悪意あるソフトウェアの総称です。
「ウイルス」「ワーム」「スパイウェア」「トロイの木馬」などがあります。
メールの添付ファイルやWebサイト、共有ファイル、USBメモリなどを通じて感染します。
代表例として知られるのが「Emotet」です。

LPガス業界向けシステムを開発する株式会社ミノスでは、2019年12月、利用企業のパソコン1台がEmotetに感染しました。
調査の結果、社員を装った不審メールが社外へ送信されていたことが判明しています。

また、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)のグループ会社でもEmotetに感染し、社員になりすました第三者から不審メールが送信され、一部のメールアドレス情報が流出した可能性があると発表しています。

◇標的型攻撃

標的型攻撃とは、特定の企業を狙い、事前に綿密な調査や準備を行った上で実施される攻撃です。
代表的な手口は、マルウェアを添付したメールを送り、添付ファイルやURLを開かせることでウイルスに感染させる「標的型攻撃メール」です。

2023年1月には、東京大学大学院の教員が受信した標的型攻撃メールによってマルウェアに感染していたことが判明しました。

調査の結果、教職員や学生、卒業生などの情報などが漏えいした可能性があることが明らかになっています。

◇SQLインジェクション

SQLは、データベースを操作するためのプログラム言語です。
SQLインジェクションとは、検索フォームやログイン画面などに不正なSQLを含めた文を送信させることで、データベース内の情報を盗み出したり、改ざん・削除したりする攻撃です。

2024年5月には積水ハウス株式会社がSQLインジェクション攻撃を受け、住宅オーナー向け会員サイトのデータベースからパスワードが漏えいしました。
顧客や従業員など約46万人分の情報が漏洩えいした可能性があると発表されています。

◇サプライチェーン攻撃

サプライチェーン攻撃とは、ターゲット企業を直接狙うのではなく、関係先や取引企業を攻撃をし、そこを経由して本来の標的へ侵入する手法です。

自社が気付かないうちに加害者となり、取引先へ損害を与えて信用を失うおそれがあります。
代表的な事例が、2022年2月に発生したトヨタ自動車のサプライチェーンを狙った攻撃です。

部品メーカーの小島プレス工業株式会社がサイバー攻撃を受けたことで、トヨタ自動車は国内にある全14工場の稼働停止を余儀なくされました。
工場停止は1日で再開できたものの、システムの完全普及には約1か月を要しました。

この事件を受け、小島プレスでは古いソフトウェアの見直しや、2か月に1回のセキュリティ講習など、再発防止策を進めています。

◇DDoS攻撃

DDoS攻撃とは、大量の通信を送り付けてサーバーに過剰な負荷をかけ、Webサイトや業務システムを停止させる攻撃です。
企業のホームページやECサイトが利用できなくなり、販売機会の損失や企業の信用低下につながります。

2024年12月には、日本航空株式会社(JAL)がDDoS攻撃を受け、システム障害が発生。
国内線、国際線ともに運航の遅れが生じ、調査の結果、社内外のネットワークをつなぐルーターへ大量の通信が送り込まれていたことが判明しています。

◆サイバー攻撃への対策

サイバー攻撃にはさまざまな多種類がありますが、使われる攻撃の手口は共通するものもあります。
多くの攻撃は基本的なセキュリティ対策を徹底することで、被害を低減できる可能性があります。
ここからは、企業が最低限取り組んでおきたい基本的な対策をご紹介します。

・OSやソフトウェアを常に最新の状態にする
OSやソフトウェアを古いまま使用していると、セキュリティ上の脆弱性が修正されず、それを悪用した攻撃を受ける危険性が高まります。

・ウイルス対策ソフトを導入する
ウイルス対策ソフトを導入し、ウイルス定義ファイル(コンピュータウイルスを検出するためのデータベース)を最新の状態に保つことで、多くのマルウェアへの対策が可能になります。

・パスワードを強化する
パスワードが解析されたり、流出したID・パスワードが悪用されたりして、不正ログインされる被害が増えています。
「長く」「複雑に」「使いまわさない」ようにすることで、不正ログインを防げます。

・共有設定を見直す
クラウドストレージやWebサービスの共有設定ミスにより、本来公開すべきではない情報が外部から閲覧できるケースが増えています。
無関係な第三者が閲覧・利用できる設定になっていないか、定期的に確認しましょう。

・バックアップを取る
サイバー攻撃によってデータが暗号化されたり、削除されたりすると、業務を継続できなくなる可能性もあります。

・脅威や攻撃の手口を把握しておく
サイバー攻撃の手口は日々進化しています。最新の脅威を知っておくことで、
不要なメールやWebサイトへの警戒意識が高まり、被害を未然に防ぎやすくなります。 」

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公開している「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」(https://www.ipa.go.jp/security/guide/sme/ug65p90000019cbk-att/sme_guideline_v4.0.pdf)には、 自社のセキュリティ対策を診断するための25項目が掲載されています。

自社の対策には何が足りていないのか、現状を把握するためにも、一度確認してみることをおすすめします。

また、同機関の「情報セキュリテイ10大脅威2026解説書[組織編]」(https://www.ipa.go.jp/security/10threats/omgdg50000008fi8-att/kaisetsu_2026_soshiki.pdf)では、最新のサイバー攻撃の動向や、それぞれの攻撃に応じた具体的な対策が詳しく解説されています。

サイバー攻撃の手口は年々巧妙化していますが、具体的な対策を継続することで、多くのリスクは軽減できます。
不審なメールに記載されたリンクや添付ファイルは開かないこと、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つこと、パスワードを使い回さないことなど、ごく当たり前なことが基本的な対策となります。

被害を未然に防ぐためにも、この機会に今一度、自社のセキュリティ対策に不備がないか改めて確認してみましょう。

[参考]
帝国データバンク「サイバー攻撃に関する実態調査(2025年)」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250619-2025cyber-attack/

<サイバー攻撃とは>
サイバーセキュリティ情報局「サイバー攻撃の種類にはどういうものがあるのか?種類別に解説」
https://eset-info.canon-its.jp/malware_info/special/detail/230801.html

警察庁サイバー警察局「令和7年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R7kami/R07_kami_cyber_jyosei.pdf p1

LANSCOPE「AIを悪用したサイバー攻撃とは?AIで守る方法やリスクを解説」
https://www.lanscope.jp/blogs/cyber_attack_cp_blog/20250828_28722/

日本経済新聞「ソフトバンクG孫正義氏、AIでのサイバー攻撃「黒船襲来以来の危機」」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1226A0S6A610C2000000/

<サイバー攻撃の種類・被害例>
警察庁サイバー警察局「令和7年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R7kami/R07_kami_cyber_jyosei.pdf p7 p59

読売新聞オンライン「中小企業狙うランサムウェア攻撃、国内被害の6割…現場混乱・復旧に4か月・費用は数千万円「倒産の危機と紙一重だった」」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20260313-GYT1T00461/

Digital Intelligenceチャンネル「サイバー攻撃にはどのような種類がある?39選を一覧で解説」
https://www.cloud-for-all.com/blog/what-types-of-cyber-attacks
株式会社ミノス「弊社社員になりすました不審メールに関する注意喚起のご案内」
https://www.minos.co.jp/news/20191218_infomation.pdf

⻄日本電信電話株式会社 「NTT ⻄日本グループ会社社員を装った不審なメール(なりすましメール)に関するお詫びと注意喚起について」
https://www.ntt-west.co.jp/newscms/attention/9119/20191212_2245.pdf

LANSCOPE「【これさえ見ればOK】サイバー攻撃の種類39選!」
https://www.lanscope.jp/blogs/cyber_attack_pfs_blog/20231031_16143/

東京大学「東京大学大学院総合文化研究科・教養学部への不正アクセスによる情報流出について」
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00952.html

日経XTECH「積水ハウスが29万人超の個人情報漏洩、過去のページでセキュリティー設定に不備」
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/00849/

MSコンパス「サイバー攻撃の種類25選!被害事例と対策を詳しく解説」
https://mscompass.ms-ins.com/business-news/cyber-attack-type/
トヨタイムズ「小島プレス、サイバー被害から1年 苦難乗り越え深めた絆」
https://toyotatimes.jp/newscast/008.html
読売新聞オンライン「トヨタ関連6万社のうち、1社のセキュリティー破られ…「賭けはできない」全工場停止」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220614-OYT1T50054/
マモリノジダイ「中小企業こそ狙われる!サイバー攻撃の種類と今すぐできる対策をわかりやすく解説」
https://mamorinojidai.jp/article/6734/
日本経済新聞「JALサイバー攻撃、年末年始の帰省・出国ラッシュ狙ったか」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE262570W4A221C2000000/

<サイバー攻撃への対策>
独立行政法人情報処理推進機構「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」
https://www.ipa.go.jp/security/guide/sme/ug65p90000019cbk-att/sme_guideline_v4.0.pdf p20

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