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2026年10月、インボイス制度が改正されます。
今回のメルマガでは、具体的な変更点や中小企業への影響、今から準備すべきことをご紹介します。
適切に対応するためにも、ポイントを押さえておきましょう。
◆インボイス制度とは
消費税の税率が8%、10%と複数税率になったことを受け、売り手が買い手に対して適格請求書(インボイス)を発行し、適用税率や消費税額を伝えるための制度です。
原則として、一定事項を記載した帳簿と適格請求書等を保存することで、仕入れ税額控除を受けられます。
◆2026年10月からの変更点
ここからは、10月から何が変更されるのかを詳しく見ていきましょう。
◇インボイス未登録事業者からの仕入税額控除の割合が70%になる
2026年10月1日から、インボイス未登録事業者から仕入れなどを行った際の仕入れ税額控除の割合が、現在の80%から70%へと引き下げられます。
当初は50%まで引き下げられる予定でしたが、小規模事業者への影響を見越して70%となりました。
控除割合は、次のように段階的に引き下げられる予定です。
2026年10月1日〜2028年9月30日:70%
2028年10月1日〜2030年9月30日:50%
2030年10月1日〜2031年9月30日:30%
また、一定割合を控除できる経過措置は、当初2029年9月30日までとされていましたが、2年延長され、2031年9月30日までとなりました。
◇控除限度額が1億円に引き下げられる
2つ目の変更点は、経過措置を適用できる課税仕入れの上限額が、10億円から1億円へ引き下げられることです。この見直しは、原則として2026年10月1日以降に開始する課税期間から適用されます。
この上限は、取引先ごとに判定されます。同じインボイス未登録免税事業者からの課税仕入れ額が、その年または事業年度で1億円を超えた場合、超過分には経過措置が適用されません。
例えば、課税仕入れの合計額が1億2000万円の場合、1億円までの部分には70%の仕入税額控除が適用されますが、1億円を超える2000万円には経過措置が適用されません。
特定のインボイス未登録免税事業者から多額の仕入れを行っている場合、自社の税負担が大幅に増える可能性があります。
◇2割特例が終了する
2割特例とは、インボイス制度をきっかけに免税事業者からインボイス発行事業者になった場合、納付税額を売上にかかる消費税額の2割にできる特例です。
原則として、インボイス登録を機に免税事業者から課税業者となり、基準期間の課税売上高が1000万円以下である場合に適用できます。
ただし、新設法人、高額取得した事業者、課税期間を短縮している事業者など、適用できない場合があります。
2割特例は、2026年9月30日までの日を含む課税期間まで適用できます。
そのため、法人でも決算期によっては2026年10月以降を含む課税期間に適用できる場合があります。2割特例の終了後は、本則課税または簡易課税のいずれかを選択しますが、一定の個人事業者については、2027年と2028年分に納付素税額を売上税額の3割とする「3割特例」を適用できる場合があります。
なお、簡易課税の適用を受けるためには、通常、適用を受けたい課税期間の初日の前日までに届出書を提出する必要があります。
ただし、2割特例または3割特例を適用した課税期間の申告期限までに届出書を提出することで、簡易課税を適用できます。
例えば3月決算法人の場合、本来であれば2027年3月31日までに届出書を提出しなければなりません。
しかし、この特例により、申告期限である2028年5月31日までに届出書を提出すれば、簡易課税の適用を受けられます。
◆インボイス制度の改正による中小企業への影響
インボイス制度の改正によってどのような影響が出るのか、ここから詳しく見ていきましょう。
◇インボイス未登録事業者との仕入れにかかる消費税の負担が増える
2026年10月以降、本則課税で仕入税額控除を行う事業者がインボイス未登録免税事業者との取引を続ける場合、納める消費税の負担が増える可能性があります。
仕入税額控除の割合が80%から70%に縮小されるためです。
例えば、年間で総額330万円(うち消費税30万円)を免税事業者に支払っている場合、2026年10月を境に以下のように負担が変化します。
2026年9月30日まで(80%控除): 24万円の控除→自社の税負担は6万円
2026年10月1日以降(70%控除):21万円の控除→自社の税負担は9万円
本則課税で仕入税額控除を行う事業者がインボイス未登録事業者との取引が多い場合、納税額が増える可能性があるため、取引状況の把握や契約内容の見直しが重要になるでしょう。一方、自社がインボイス未登録の場合は、取引先の課税方式などによっては負担が増えることから、次項で解説するように、価格の見直しや取引の停止を求められる可能性があります。
◇取引先から価格の見直しや取引の停止を求められる可能性がある
自社がインボイス未登録である場合、取引先から価格の見直し、最悪の場合には取引の停止を求められる可能性があります。
先述したように、本則課税で仕入税額控除を行う事業者がインボイス未登録事業者と取引する場合は、課税負担が増える可能性があるため、取引を見直す動きが出てくることがあります。これを機会にインボイス登録をすることも一つの選択肢ですが、課税事業者となるため、消費税を納めなければなりません。
取引先がインボイス未登録の場合も、自社が本則課税で仕入税額控除を行っているときはの負担が増える可能性があるため、価格の見直しや取引の継続について検討が必要になることがあります。
◆インボイス制度の改正に向けて今すぐやるべきこと
2026年10月の改正を前に、中小企業が今すべきことを押さえておきましょう。
◇取引先のインボイス登録状況を確認する
現在、取引をしている事業者が、インボイス登録をしているのかどうかを確認しましょう。
国税庁の適格請求書発行事業者公表サイト(https://www.invoice-kohyo.nta.go.jp/)では、インボイス登録されている事業者を検索できます。ただし、登録番号でのみ検索できるため、取引先に登録番号を知らせてもらう必要があります。
登録されている場合は、登録番号が公表サイトの情報と一致しているか、請求書に登録番号が正しく記載されているかを確認しましょう。
◇取引先の選定や価格交渉を行う
インボイス未登録事業者と取引をしている場合、次の3つの選択肢があります。
・インボイス登録を促す
・取引価格を見直す
・税の負担を受け入れて取引を継続する
ただし、価格の見直しや取引停止そのものが直ちに法令違反となるわけではありませんが、十分に協議せず一方的に著しく低い価格を提示したり、取引上優越した立場を利用して不利益を与えたりする行為は、独占禁止法や取適法などで問題となるおそれがあります。取引条件は、取引先と十分に話し合ったうえで決定することが重要です。
◇会計ソフトや請求ソフトの設定を確認する
10月からの改正にあたり、自社で利用している会計ソフトや請求管理システムが、新しい仕入税額控除割合に対応するか、設定を確認しましょう。
クラウド会計ソフトであれば、自動アップデートが行われる予定ですが、なかには手動で更新しなければならないものもあります。
次の点を重点的にチェックしてみましょう。
・取引先ごとに登録状況が紐づけて管理されているか
・仕入税額控除割合が自動で反映されるか
・請求書テンプレートに登録番号が自動で印字されるか
・電子帳簿保存法の要件が満たされているか
◇帳簿・請求書の管理体制を見直す
仕入税額控除の適用を受けるためには、適格請求書(インボイス)の保存、法令で定められた事項を記載した帳簿の保存が必要です。
記載漏れや保存漏れがあると、控除の適用を認められないおそれがあります。
記載事項に漏れがないか、保存漏れがないか、管理・チェック体制を整えることが重要です。
今回のメルマガでは、10月からのインボイス制度の改正点を詳しく見てきました。
本則課税で仕入税額控除を行う事業者がインボイス未登録事業者から仕入れている場合、仕入税額控除の割合が下がったり、控除限度額が引き下げられたりするため、取引価格によっては自社の税負担が大幅に増える可能性があります。一方、自社がインボイス未登録の場合は、取引先の課税方式などによっては、価格の見直しや取引の停止を求められるおそれもあります。
直前になって慌てることのないよう、早めに自社の取引状況や管理体制の確認を進めておきましょう。
なお、税制の適用や必要な手続きは、事業年度、課税方式、届出状況などによって異なるため、具体的な対応については、税理士または所轄の税務署にご確認ください。
[参考]
<インボイス制度とは>
国税庁「インボイス制度について」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm
<2026年10月からの変更点>
国税庁「令和8年度税制改正特集 インボイス経過措置の見直し等」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice-review/index.htm
国税庁「消費税2割特例特設ページ」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_2tokurei.htm
REARTH TOKYO「インボイス『2026年問題』中小企業の資金繰りに何が起きるのか」
https://www.rearth-tokyo.co.jp/blog/business-news/invoice-2026-cashflow-impact/
<インボイス制度の改正による中小企業への影響>
弥生株式会社「インボイス制度が法人(中小企業)に与える影響は?必要な対応を解説」
https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/oyakudachi/hojin-eikyo/
REARTH TOKYO「インボイス『2026年問題』中小企業の資金繰りに何が起きるのか」
https://www.rearth-tokyo.co.jp/blog/business-news/invoice-2026-cashflow-impact/
<インボイス制度の改正に向けて今すぐやるべきこと>
株式会社アイ・エス・プライム「インボイス制度の2026年10月変更点|3割特例・7割控除と中小企業の対応」
https://is-prime.co.jp/business-improvement/invoice-2026-october/
弥生株式会社「インボイス制度が法人(中小企業)に与える影響は?必要な対応を解説」
https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/oyakudachi/hojin-eikyo/
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