ニュース
メルマガ
〓■〓■〓■〓■〓■ーオフィスエムより皆様へー■〓■〓■〓■〓■
今年1月から下請法(下請代金支払遅延等防止法)が改正され、
名称も「中小受託取引適正化法」(通称:取適法)に変更されました。
これにより、受託側企業の利益保護が強化されます。
委託側・受託側ともに、新しいルールを把握しておくことが重要です。
今回のメルマガでは、下請法改正の背景、主な改正点、
そして企業が具体的に取るべき対応策について解説します。
◆下請法と改正された背景
下請法とは、立場の強い親事業者が下請事業者に対して
不正な取引を行わないよう規制するために制定された法律です。
近年、原材料費やエネルギーコストが上昇している一方で、
物価上昇を上回る賃上げの実現には至っていないのが現状です。
賃上げの原資を確保するためには、
サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を進めることが不可欠とされています。
受託側が一方的に負担を強いられる商習慣を是正し、 取引の適正化と価格転嫁の推進を図るため、今回の改正が行われました。
◆改正点と企業が対応すべきこと
ここからは、主な改正点と企業が講じるべき対応について解説します。
◇用語の見直し
「下請」という用語が、発注側と受託側が対等でない印象を与えるという指摘から、下記のように変更されました。
・親事業者→委託事業者
・下請事業者→中小受託事業者
・下請代金→製造委託等代金
これに伴い、契約書や発注書などの書類に使用している用語の修正が必要です。
◇従業員数の基準の追加
従来は、事業規模が大きいものの、資本金が少額である事業者や減資をすることによって、法律の対象外となる取引例がありました。
また、適用を逃れるために、受注側に増資を求める発注者も存在していました。
これらのことから、適用基準に従業員数が追加されました。
取引内容ごとの基準は以下のとおりです。
■物品の製造委託・修理委託・特定運送委託または情報成果物作成委託・役割提供委託(※プログラム作成、運送、物品の倉庫保管、情報処理に限る)
・委託事業者:資本金3億円超→中小受託事業者:資本金3億円以下
・委託事業者:資本金1,000万円超3億円以下→中小受託事業者:資本金1,000万円以下
・委託事業者:常時使用する従業員300人超→中小受託事業者:常時使用する従業員300人以下
■上記以外の情報成果物作成委託・役割提供委託
・委託事業者:資本金5,000万円超→中小受託事業者:資本金5,000万円以下
・委託事業者:資本金1,000万円超5,000万円以下→中小受託事業者:資本金1,000万円以下
・委託事業者:常時使用する従業員100人超→中小受託事業者:常時使用する従業員100人以下
なお、いずれも中小受託事業者の基準はすべて個人を含みます。
自社取引が法律の適用対象かどうかを判断するため、
自社および取引先の従業員数の把握が必要です。
ただし、従業員数は公表義務がないことから、把握するための手段の整備が求められます。
例えば、契約書への従業員数に関する表明保証条項の設定、
企業情報データベースの活用などが挙げられます。
◇対象取引に特定運送委託の追加
特定運送委託とは、事業者が販売する物品や製造・修理を請け負った物品を取引先へ運送する際に、他の事業者へ運送を委託する取引を指します。
これまで独占禁止法により規制されていましたが、
無償での荷役・荷待ち問題を背景に、取適法の対象となりました。
特定運送委託を行う場合、運送事業者に対して委託内容や対価、支払い期日を明記した文書を発注時に交付し、保存することが義務付けられます。
◇協議なき一方的な価格決定の禁止
原材料費やエネルギーコストが上昇しているなかで、協議することなく価格の据え置きや、コストに見合わない価格の決定など、価格転嫁が適切に行われていない現状があります。
そこで、一方的に代金を決定して中小受託事業者の利益を不当に害する行為が禁止されました。
例えば、
・価格協議の申し出に応じない
・価格決定の根拠について説明を行わない
といった行為が該当します。
これにより、企業には価格改定交渉の対応フローの整備・明文化が求められます。
・担当部署の明確化
・協議記録の作成、保存
・見積書の保管など
の体制整備が必要です。
◇手形払いなどの禁止
委託事業者が手形払いを行い、中小受託事業者に資金繰りにかかる負担を求める商習慣が続いていることから、中小受託事業者の保護のため、手形払いが禁止されました。
また、電子記録債権やファクタリングにおいても、支払い期日までに代金相当を得ることが困難であるものについては認められません。
さらに、現金受領までの期間は60日以内に変更されました。
これにより、
・支払い方法の見直し
・支払いフローや契約書の見直し
が必要となります。
◇面的執行の強化
これまでは、事業所管省庁には調査権限のみが与えられていました。
しかし、複数の省庁と連携した取り組みが必要と判断され、
事業所管省庁の主務大臣に指導・助言の権限が付与されました。
また、中小受託事業者が申告しやすいよう、「報復措置の禁止」の申告先として、現行の公正取引委員会、中小企業庁長官に加え、事業所管省庁の主務大臣が追加されました。
企業には監督官庁の問い合わせ対応マニュアルの整備や通報発生時の対応フローの策定が求められます。
◇その他の改正点
製造委託の対象物品として、木型や治具など、物品の製造に用いる金型以外の型も追加されました。
また、中小受託事業者の承諾の有無にかかわらず、発注内容や代金、支払い期日、支払い方法など、委託内容の明示が電子メールでも可能になりました。
他にも正当な理由なく委託事業者が代金を減額した場合、
減額部分についても遅延利息の支払い対象となります。
◆違反した場合のペナルティと相談窓口
取適法では、委託事業者に対して具体的な義務と禁止行為が定められています。
もし違反した場合は、勧告や指導の対象となるほか、50万円以下の罰金が科されます。
取引に関して違反の疑いがある場合は、公正取引委員会へ相談できます。
相談内容が委託事業者に伝わることはありません。
反対に、委託事業者側も疑問点があれば相談可能です。
公正取引委員会の相談窓口のフリーダイヤル
0120-060-110(土日祝日・年末年始を除く10時〜17時)
今回の下請法の改正によって、契約管理や支払いフローなど実務面で大きな影響を受けます。
特に委託事業者は、対応が遅れると中小受託事業者との取引にも影響が出るでしょう。
場合によっては企業イメージの大幅なダウンにもつながりかねません。
法務担当者を中心に、弁護士など専門家の力も活用しながら、着実に対応を進めていきましょう。
[参考]
<下請法と改正された背景>
公正取引委員会 中小企業庁「下請法・下請振興法改正法の概要」
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2025/may/250516_gaiyou02.pdf
<改正点と企業が対応すべきこと>
公正取引委員会 中小企業庁「下請法・下請振興法改正法の概要」
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2025/may/250516_gaiyou02.pdf
政府広報オンライン「2026年1月から下請法が「取適法」に!委託取引のルールが大きく変わります」
https://www.gov-online.go.jp/article/202511/entry-9983.html
弁護士の部屋「2026年施行の下請法改正とは?企業が備えるべき契約・支払・コンプライアンス対応」
https://nao-lawoffice.jp/venture-startup/basic-law-of-the-company/shitaukehou-kaisei-taiou.php
<違反した場合のペナルティと相談窓口>
政府広報オンライン「2026年1月から下請法が「取適法」に!委託取引のルールが大きく変わります」
https://www.gov-online.go.jp/article/202511/entry-9983.html
■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓
~人手不足解消に「人材のサブスク」してみませんか~
経理でもITでもデザインでも、必要な業務を時期と量に合わせてすぐに依頼でき、採用にかかる経費も不要。業務に応じて在宅スタッフをチーム編成します。
進行管理のスタッフがお客様とチームをお繋ぎしますので、個別にやりとりいただく必要はありません!
費用は月額3万円からです。
ご相談は、以下のいずれかにてお願いいたします。
お問い合わせフォーム:https://www.officem.jp/contact/
お問い合わせメールアドレス: mitsumori@officem.jp
■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■
※上記各種、またそれ以外に関するお問い合わせ等は、以下のフォームまたは メールにてお願いいたします。24時間受付中です。
お問い合わせフォーム:https://www.officem.jp/contact/
お問い合わせメールアドレス: mitsumori@officem.jp