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出社するだけですぐに帰ってしまう「コーヒーバッジング」。
オフィス回帰の動きが強まる中で、形式的に出社をしつつ、生産性の高い在宅勤務も続けたいという従業員の心理から生まれた、アメリカ発祥の働き方です。
出社していることを重視する文化がある場合、日本企業でも十分起こりうる問題といえるでしょう。
今回のメルマガでは、コーヒーバッジングが広まっている理由や、企業ができる対策をご紹介します。
◆コーヒーバッジングとは
コーヒーバッジングとは、出社義務を形式的に満たすためだけにオフィスに短時間立ち寄り、すぐに帰宅してリモートワークを行う働き方を指します。コーヒーを飲む程度の短時間であること、社員証(バッジ)で出社記録を残すことから、「コーヒーバッジング」と呼ばれます。
◆コーヒーバッジングが広まっている理由
アマゾンやゴールドマン・サックスなど有名企業は週5日の出社を義務付けるなど、オフィス回帰の傾向が強まっています。
一方、マイクロソフトやインテルではハイブリッド勤務の方針が強化されています。
アメリカのWeb会議企業であるオウル・ラボの調査では、出社とリモートを組み合わせた働き方をする2,000人のうち、58%が「コーヒーバッジングをしたことがある」と回答しており、その広がりがうかがえます。
ここからは、その理由を見ていきましょう。
◇企業と従業員の意識のズレ
出社を求める企業に対し、生産性を重視する従業員との意識のズレが、コーヒーバッジングが広まっている大きな要因です。
企業側は「顔の見える環境で働いてほしい」と考える一方で、従業員はコロナ禍でリモートワークでも十分に成果を出してきたという実感があり、通勤に時間をかけることに疑問を抱くようになっています。
◇効率性と生産性の追求
コーヒーバッジングは、通勤時間を最小限に抑え、生産性を最大化する働き方として支持されています。
職種によっては、リモートワークでも十分に業務が遂行できる環境が整っています。
会議や打ち合わせもオンラインで対応できるため、毎日の出社の必要性を感じにくくなり、最低限の出社で済ませようとする行動が広がっています。
◇ワークライフバランスの実現
コロナ禍を経て、人々の価値観は大きく変化しました。かつては出社して定時まで働くことが当然とされていましたが、現在では業務内容に応じて働き方を選ぶという意識が定着しています。
また、単純に働き方が変わっただけでなく、「なぜ働くのか」「どう生きたいのか」といった本質的な問いを考える人も増えました。
その結果、必要最低限の時間だけ出社し、自宅に戻って働くというスタイルが
合理的と考えられるようになりました。
◆コーヒーバッジングを防ぐために企業に求められること
コーヒーバッジングを防ぐためには、従業員に「出社することに意味がある」と感じてもらうことが重要です。
ここからは、具体的な対策方法をご紹介します。
◇柔軟な勤務制度の設計・運用
コーヒーバッジングを防ぐには、「出社か在宅か」という二者択一ではなく、業務内容に応じて働く時間や場所を選べる柔軟な勤務制度の設計・運用が求められます。
株式会社マイナビの「転職活動実態調査(2025年)」によると、転職活動で重視した項目として、「柔軟な働き方(リモートワーク・フレックスタイムなど)」を挙げた人は55%にのぼりました。
柔軟な働き方へのニーズは高いといえます。
ハイブリッド勤務、フレックスタイム制など、多様な働き方を認める制度の導入は有効です。
ただし、制度だけでなく、それに連動した評価制度の整備も不可欠です。
◇成果に基づいた評価制度の導入
出社していることや出社時間を評価するのではなく、成果を評価する制度の導入が求められます。
一定期間内の成果を評価することで、企業業績への貢献度も明確になります。
適正な評価も従業員のモチベーション向上にもつながり、組織全体のパフォーマンス向上が期待できます。
一方で、成果の数値化が難しい職種もあるため、不公平感が生じないよう、業務特性に応じた評価基準の設計が重要です。
◇出社の目的の再定義
出社を義務とするのではなく、オフィスを対面でしか得られない付加価値を生むための拠点として再定義することが求められます。
例えば、プロジェクトの立ち上げやメンタルサポートなど、対面でこそ効果を発揮する場面があります。
ホワイトボードを使った議論では、思考の視覚化や認識のズレの解消がリアルタイムで可能になります。
オフィスを質の高いコミュニケーションが生まれると位置付けることで、組織全体の生産性向上にもつながるでしょう。
アメリカで大企業によるオフィス回帰義務化が進む一方、中小企業では柔軟な働き方の提供が進んでいます。
リモートワークを研究するスタンフォード大学のニック・ブルーム氏は、管理職自身の評価基準はチームのパフォーマンスのため、出社を義務化することで、優秀な人材の離職や生産性低下のリスクがある場合、管理職から柔軟な働き方を提示しているのではと仮定しています。
コーヒーバッジングの広がりは、働く場所の自由を知った従業員からの「無意味な出社へのサイン」かもしれません。
これを防ぐ最大の対策は「行かなければならないオフィス」を「行きたくなるオフィス」に変えていくことが重要です。
まずは、従業員によってどのような場所であるべきかを見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
[参考]
HUFFPOST「出社義務への静かな戦略。コーヒー飲んですぐ退社「コーヒーバッジング」がアメリカで流行中」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_667a5994e4b05521a7ef5a2f
KOKUYO 「働き方用語辞典「コーヒーバッジング」」
https://www.kokuyo-furniture.co.jp/contents/dic-coffee-badging.html
<コーヒーバッジングが広まっている理由>
ITmediaビジネスONLINE「出社は“信仰”? 若手が始めた「コーヒーバッジング」という抵抗」
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2509/17/news021_2.html
BUSINESS INSIDER「大企業の「出社義務化」にもかかわらず、在宅勤務率は下がっていない。水面下で密かに“増殖”するリモートワーク」
https://www.businessinsider.jp/article/2601-remote-work-from-home-surviving-return-to-office-mandates-era/
JLL SEE A BRIGHTER WAY「コーヒーバッジングは日本でも起きる?”出社したふり”を未然に防ぐために働き方とオフィスを再定義」
https://www.jll.com/ja-jp/insights/could-coffee-badging-happen-in-japan-too-preventing-pretending-to-be-at-work-by-redefining-work-styles-and-offices
LIFULL HOME’S「「出社回帰」から「ハイブリッド」へ!新たな働き方のトレンド「コーヒーバッジング」とは?」
https://toushi.homes.co.jp/column/lifeplan/social-issues/current-topics68/
<コーヒーバッジングを防ぐために企業に求められること>
株式会社マイナビ「転職活動実態調査(2025年)」
https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2025/09/tenshokukatudoujittaichousa2025.pdf
Eye247 Work Smart「出社回帰の今、実践者急増中!話題の「コーヒーバッジング」とは?」
https://www.eye247wsc.jp/post/coffee-badging
ITmediaビジネスONLINE「出社は“信仰”? 若手が始めた「コーヒーバッジング」という抵抗」
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2509/17/news021_2.html
グローアップバンクー社員の成長を導く知識の宝庫ー「成果評価とは?メリット・デメリットや能力評価・情意評価との違いを解説」
https://www.e-coms.co.jp/column/results_evaluation#637c88fec8cd5c6959763d4c-1706678525623
UPGRADE「コーヒーだけ飲みに出社してすぐ帰る?「コーヒーバッジング」が生まれる従業員心理と対策方法」
https://www.corner-inc.co.jp/media/c0451/
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