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BPOやSaaSを利用していても、
「外部に業務を一部委託しているけれど、社内にノウハウが残らない」
「SaaSを導入したけれど、機能が多くて使いこなせていない」
など、何かしらの課題を感じている企業も多いのではないでしょうか。
今回のメルマガでは、近年、経営効率化の切り札として注目を集めている「BPaaS」について解説します。
◆BPaaSとは
BPaaSとは「Business Process as a Service」の略称で、業務プロセスそのものをクラウド経由で外部委託するサービスのことです。
例えば、給与計算や請求書発行といった経理・労務業務を、クラウドツールと専門のスタッフによる運用をセットで委託できます。
総務省の「情報通信白書 令和7年版」によると、日本企業のデジタル化の取り組み状況に関して「実施していない、今後実施を検討」と回答した企業は9.8%、「実施していない、今後も予定なし」と回答した企業は40.6%であり、他国と比べて遅れていることがわかっています。
また、デジタル化の課題として「人材不足」と回答した企業は48.7%と非常に高く、自社でデジタル人材を確保することの難しさがうかがえます。
こうした背景から、一部の業務をプロセスごと外部に委託できるサービスとしてBPaaSが注目を集めています。
◆BPOやSaaSとの違い
BPaaSは、BPOやSaaSと混同されることがあります。 BPOは「Business Process Outsourcing」の略称で、業務プロセスを外部に委託する点ではBPaaSと共通しています。
ただし、従来のBPOでは、メールや紙でデータのやり取りするケースも多く、業務の進捗や実務内容がブラックボックス化しやすいという課題があります。
一方、BPaaSでは、自社と委託先が共通のクラウドを利用するため、進捗がリアルタイムで可視化しやすく、業務効率の向上が期待できます。
SaaSは「Software as a Service」の略称で、インターネット経由でクラウド上のソフトウェアを利用するサービスです。
BPaaSもクラウドサービスを利用しますが、SaaSでは基本的に自社の従業員が運用を行います。
一方、BPaaSでは、委託先の専門スタッフが運用を行います。
◆BPaaSを導入するメリット
BPaaSを導入することで、中小企業にとってさまざまなメリットが期待できます。
ここからは、具体的なメリットを見ていきましょう。
◇効率化と生産性の向上
バックオフィス業務を自動化・標準化できるため、自社の従業員は売上に直結するコア業務に集中しやすくなり、会社全体の生産性向上につながります。
SaaSを導入するだけでは、従業員がシステムの使い方を習得し、運用する必要があります。
しかし、BPaaSであれば運用まで委託できるため、習得にかかる時間やコストを削減できます。
実際に、介護支援システム「ライブコネクト」の開発・販売を行うZ-Worksは、事業転換の際にバックオフィスの人材不足に直面しました。
BPaaSを導入し、給与の計算や年末調整、人事労務の業務を委託することで、現在は2名体制という少人数の管理部門ながら、スムーズなバックオフィス業務を実現しています。
◇コストの最適化
BPaaSを導入すると、初期投資を抑えつつ、自社でシステムを開発・保守する必要がなくなるため、必要な業務に必要な分だけコストをかけやすくなります。
また、多くのBPaaSでは従量課金制が採用されており、繁忙期には手厚く、閑散期には最小限に抑えるといった柔軟な運用が可能です。
例えば、プロバスケットボールクラブを運営をしているスポーツコミュニケーションKYOTO株式会社では、支払いや請求の管理機能が十分に整っておらず、稟議フローも活用されていない状態で、請求漏れが頻発していました。
しかし、BPaaSを導入したことで稟議フローが確立され、受注や請求のミスが減少。従来の3分の1までコストカットに成功しています。
◇データやノウハウの蓄積
BPaaSを導入すると、外部に業務を任せながらも、業務プロセスやデータを自社の資産として残すことができます。
従来のBPOでは、委託先に業務を任せることで、業務プロセスがブラックボックス化しがちです。
一方、BPaaSでは「いつ、誰が、何をしたか」という記録が残るため、業務プロセスを透明化しやすい点が特徴です。
特に中小企業では、人手不足や教育・トレーニングにかける時間の不足により、業務が属人化しやすくなります。
BPaaSでは、専門スタッフが実務を担うため、プロがどのようにシステムを使い、業務を進めているかを確認しながら、自社の従業員のスキルアップにもつなげることができます。
例えば、歯車の専門メーカーである金子歯車工業株式会社では、長年、給与を現金で手渡しをしていました。
しかし、防犯リスクの解消と内製化による経営基盤強化のため、実務未経験の担当者を中心にBPaaSを導入。
まずは勤怠管理のシステム化から始めました。
現在は、管理部門で属人化している業務を洗い出し、人員配置を最適化するためのデータ活用を進めています。
◆BPaaSを導入する際の注意点
BPaaSには、バックオフィス業務のコスト最適化や効率化といったメリットがあります。
一方で、導入には注意すべき点もあります。詳しく見ていきましょう。
◇コストが変動する
BPaaSは、業務量によって、月々の支払いが大きく変動する可能性があります。
多くのBPaaSでは従量課金制が採用されていますが、利用する機能や業務量が増えると、予想以上にコストが膨らむおそれがあります。
例えば、請求書処理サービスでは、処理する書類の枚数によって費用が変動します。また、人事管理や給与計算を行うサービスでは、従業員数に応じて月額料金が設定されている場合があります。
そのため、契約時には料金体系や追加費用の条件を確認し、見積もりシミュレーションを行うことが重要です。
◇セキュリティリスクが生じる可能性がある
BPaaSでは、従業員の個人情報や財務データをクラウド上で扱うため、不正アクセスやサイバー攻撃による情報漏洩リスクがあります。
万が一、情報漏洩が発生すれば、企業の信用を失うだけでなく、法的リスクにつながる可能性もあります。
導入する前には、委託先のセキュリティ体制や運用実績を必ず確認しましょう。
◆BPaaSの導入を成功させるためのポイント
BPaaSを導入しても、従業員の負担が増えたり、期待した成果が得られなかったりすれば意味がありません。
ここからは、導入効果を高めるためのポイントを見ていきましょう。
◇委託したい業務にマッチしているかを確認する
BPaaS導入を成功させるためには、委託したい業務とサービス内容がマッチしているかを見極めることが大切です。
BPaaSは単なるツールではなく、専門スタッフによる実務まで含まれるサービスです。
ベンダーによって、得意とする業務内容は異なります。
業務内容だけでなく、コスト、操作性、セキュリティ体制など、複数の観点から総合的に判断しましょう。
◇セキュリティ体制やコンプライアンスに問題がないかを確認する
BPaaSを導入する際は、ベンダーが自社の基準と同等、またはそれ以上のセキュリティ水準とコンプライアンス体制を整えているかを確認することが重要です。
万が一のトラブルが発生した場合、委託元である自社も責任を問われる可能性があります。
BPaaSはシステムだけでなく、運用スタッフによる実務も含むサービスです。
そのため、操作を行うスタッフへの教育体制や、情報の持ち出し制限などの対策が行われているかも確認しましょう。
具体的には、次のようなポイントをチェックします。
・情報セキュリティポリシーが策定・公開されているか
・内部監査が定期的に実施されているか
・物理的セキュリティ対策が実施されているか
・第三者認証(ISMS認証、Pマークなど)を取得しているか
◇社内の役割分担と責任者を明確にする
BPaaSの導入を成功させるためには、ベンダーに任せきりにするのではなく、社内に運用を統括する責任者を置くことが重要です。
ベンダーが優秀であっても、社内の役割分担が曖昧なままでは、問い合わせ対応やトラブル時の判断が遅れてしまいます。
社内の役割を明確にしないまま導入すると、現場が混乱し、かえってコミュニケーションの手間が増える可能性もあります。
BPaaSの導入を成功させるためには、自社とベンダーが連携しながら運用していくことが不可欠です。
限られた社内リソースを事務作業に費やし続けるのは、大きな機会損失につながります。
BPaaSの導入は、単なるコスト削減ではなく、従業員がコア業務に専念できる環境を整えるための投資です。
「仕組み」はプロに任せ、自社は「未来を作る仕事」に集中する。
そんな次世代の経営スタイルへのシフトを、一度検討してみてはいかがでしょうか。
<BPaaSとは>
総務省「情報通信白書令和7年版」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/pdf/n21b0000.pdf
p12、p13
OBC360°「BPaaSとは?BPOやSaaSとの関係、導入メリットから注意点までわかりやすく解説!」
https://www.obc.co.jp/360/list/post418
KDDI BUSINESS「BPaaSとは?基本知識にあわせ具体的な導入メリットや注意点を解説」
https://biz.kddi.com/content/column/smb/what-is-bpaas/
<BPOやSaaSとの違い>
Knock「【事例】BPaaSとは?BPOとの違いや市場規模3つの導入メリットを解説」
https://www.noc-net.co.jp/blog/2024/12/column_561/
PASONA日本総務部「BPaaS(ビーパース)とは?BPOやSaaSとの違いも解説!」
https://www.pasona-ns.co.jp/column_wp/detail/bpaas.html
<BPaaSを導入するメリット>
サービスサイトいい生活「BPaaSにはどんなメリットがある?注意点や成功させるコツをご紹介」
https://www.es-service.net/topics/bpaas/
freee「freee人事労務アウトソースは事業発展に欠かせないパートナー バックオフィスに余裕が生まれ効率よく仕事ができるように」
https://www.freee.co.jp/cases/z-works/
パーソル ビジネスプロセスデザイン「BPaaSとは?4つの導入メリットと知っておきたい成功事例」
https://www.persol-bd.co.jp/column/bpo/bpaas/
freee「「契約すれば、勝手に動くと思ってた。」そんな労務1年生でも完遂できた!成功のカギは即対応の電話サポート」
https://www.freee.co.jp/cases/kaneo-hagruma/
<BPaaSを導入する際の注意点>
Bill One「BPaaSとは?導入メリットや業務効率化のポイント、注意点を解説」
https://bill-one.com/knowledge/bpaas-overview/#hb17e0ae661
<BPaaSの導入を成功させるためのポイント>
パーソル ビジネスプロセスデザイン「BPaaSとは?4つの導入メリットと知っておきたい成功事例」
https://www.persol-bd.co.jp/column/bpo/bpaas/
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