国境や時間にとらわれず自由に働きたい人のブログ

アメリカで増えている「サイドスタートアップ」とは

投稿日:

2022年岸田首相が「スタートアップ支援強化」を打ち出し、国や自治体、民間企
業などをあげて日本のスタートアップに対するさまざまな支援が始まりました。
しかし同時に2022年はアメリカを中心とした利上げやインフレ、ロシアのウクラ
イナ侵攻など逆風が吹いて、スタートアップは冬の時代に突入したともいわれて
います。


そうしたなか、アメリカでは「サイドスタートアップ」といわれるスタートアッ
プの形が台頭しています。
パンデミック以降リモートワークが一般的になりましたが、会社に雇用されてい
るリモートワーカーの中で優秀な人材は、会社の業務だけをこなしていくことに
魅力を感じなくなり、一定数は起業していることが分かってきました。
彼らは雇用されている会社を辞めて独立することより、リモートで働きながら副
業として起業するかたちをとることが多く、そうした起業者はサイドスタートア
ップと呼ばれています。


あるメディアに紹介されたサイドスタートアップの一人Shari Roseは、パンデミ
ックによるリモートワークを機会に、自分のビジネスを始めました。彼女はフル
タイムでSEOの仕事をしながら、マーケティング経験を活かし、SEOコンサルタン
トとして自身の拠点であるミシガン州の中小企業や非営利団体の経営?をサポー
トしています。
リモートワークを利用してビジネスに取り組むことができるため、本業よりも意
味のあることを追求できたと言っています。
雇用主も彼女のスタートアップを認識しており、雇用主は従業員を失うことなく
、従業員側は経済的安定を失うことなく夢に取り組むことができるため、双方に
メリットのある状況であると考えられています。



サイドスタートアップにはもう一つのメリットがあります。
スタートアップは起業当初、経理、税務、法務、労務などのさまざまなコーポレ
ート業務を起業した本人が一人で担うことが多く、事業立ち上げの本業に専任し
たい大事な時に負担が大きくなってしまいます。
アメリカのサイドスタートアップの場合、家族が協力してサポートしあうファミ
リービジネスとして行われるケースが多いとのことです。
例えば夫は元の会社でリモートで勤務を続けながら、妻名義で立ち上げたビジネ
スをサポートするといった具合で、夫婦が別々の仕事をするよりも効率が良く収
益も上がりやすくなります。
そしてこのような場合、副業は会社に報告することなく行われることが多く、雇
用関係による仕事は義務として行いながら、自分と家族とでもう一つの収入減を
得るというサイドスタートアップの構造が出来上がりつつあるのです。


アメリカの起業成功率は意外に低く、スタートアップ後は毎年25%が倒産してい
くといわれており、7年後に生き残っているのは約30%にすぎないそうです。
雇用による安定した収入を担保しながら、リモートワークによって生まれた空き
時間を使って、自分の或いはファミリーでビジネスを始めるというやり方は、ス
タートアップのリスクを減らし起業のハードルを下げるのに役立っています。



一方日本の開業率は国際的に見て低く、スタートアップの数も先進国では下位の
方です。
その要因の一つとして、日本は起業家のステータスが低く、日本的な雇用システ
ムの中で賃金労働者であるほうが、起業するより安定していてリスクもないと思
う人が多いことがあげられます。
ただ最近では弊社の登録スタッフの中にも、子供の受験のためにさらなる資金を
という理由で、フルタイムで勤務されながら開業されたりする方もいます。奥様
がSEでご主人が弁護士さんというパワーカップルの方は奥様の契約書をご主人が
チェックしてから締結されます。



2018年のモデル就業規則改定により、副業を許可する企業も増えています。


アメリカでも日本でも「サイドスタートアップ」は今後の働き方の選択の1つに
なるかもしれません。


多くのものを奪っていったパンデミックですが、リモートワークの台頭という流
れによって、新しい働き方を後押しした、ともいえるでしょう。



参考資料:

https://www.vox.com/recode/23299590/side-startup-remote-workers-founding-businesses-while-employed




https://www.wsj.com/articles/these-people-who-work-from-home-have-a-secret-they-have-two-jobs-11628866529




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